こんにちは!ハニーです!
今回の記事は【第32節 コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノスから学ぶ、札幌の守備の仕方とマリノスの戦術的な攻撃】についてご紹介いたします。
・両チームの特徴
・前プレスのかけ方
・状況を考えた戦術の重要性
・両チームのサッカースタイルの特徴を知りたい方
・積極的な守備が特徴のチームに所属されている方
・試合の運び方を知りたい方
目次
試合情報
結果
横浜F・マリノス 2 ー 1 コンサドーレ札幌
● コンサドーレ札幌
前半23分 菅大輝
● 横浜F・マリノス
後半83分 杉本健勇
後半88分 前田大然
スターティングメンバー
試合プレビュー
前半は札幌が前線から積極的な守備をかけ、マリノス自陣で札幌優勢の時間が続いた。そんな中前半23分、札幌の左コーナーキック。キッカー金子がゴール前にボールを蹴る素振りを見せ、手前にいた菅へショートコナー。パスを貰った菅は左足で左側にボールを置き、そのままゴールニアサイドへシュート。これがポストをかすめながらゴールに吸い込まれ、札幌が先制。「札幌1-0マリノス」のまま前半を折り返す。
後半も、札幌の前線からの守備により札幌優勢の時間が続く。マリノスは流れを変えるため、61分にマルコスジュニオールに代え天野純、レオセアラに代えエウベルを投入。
この交代を機に、徐々に流れはマリノスペースに傾く。
さらに73分 マリノスは前線により厚みをかけるため、喜田に代え杉本健勇、仲川に代え水沼宏太を投入。そして83分、エウベルの左からのクロスを杉本健勇が頭で決めマリノスが同点に追いつく。87分には天野が左サイドをドリブルで中に打開し、右足でクロス、走り込んだ前田大然が右足で流し込み、マリノスが2-1と逆転。このまま試合終了となった
この試合の学びのポイント
コンサドーレ札幌の前線からの守備のかけ方
コンサドーレ札幌の守備の仕方というのは、前線からの激しいプレスが特徴的です。
前線から守備をかける事によって、相手のパスコースの選択肢を消す、自由にパスを出させないという守備の仕方が可能となります。この守備の仕方のメリットとしては、相手自陣でボールが取りやすくなりより多くチャンスの機会を作る事ができます。また、前線からハイプレッシャーをかけているため相手のキックミスを誘い、マイボールにできる確率が上がります。
コンサドーレ札幌の前線からの守備のかけ方を具体的にご紹介すると、相手がビルドアップ(攻撃の組立て)を開始すると、インサイドハーフの1人が1つ前のフォワードの位置に入り、2トップのような形を作ります(10,11番)。陣形は以下画像のような形に変化します。
今回マリノスは4バックの守備の形であったため、前線の枚数が相手守備陣と同数のような形となります。これにより札幌の前線の選手はボールが出たところに対して、前向きにプレッシャーをかける事ができるのです(以下画像参照)
それぞれが連動して前向きにプレッシャーをかける事により、徐々に徐々にマリノスのパスコースを限定させていきます。
この守備の仕方により、
①マリノスの中盤の選手は前を向けない、バックパスを促す
②マリノスのセンターバック、サイドバックのパスの質が落ちる
このような状況を作る事ができました。
前半の得点に関しても、札幌の前線からの守備によりコーナーキックを得たことが得点に繋がっています。
もう一度まとめると、前線からの守備のメリットは、、、
① 相手自陣でボールが取りやすくなり、より多くのチャンスの機会を作る事ができる
② 相手のキックミスを誘いマイボールにする確率を上げる事ができる
しかしこの守備の仕方には、デメリットもあります。
■前線からの守備のデメリット
①体力を消耗してしまう
②前線に厚みをかけすぎて、裏のスペースを使われる
① 体力を消耗してしまう
└やはり前から常にプレッシャーをかけるため、当たり前ですが体力を消耗してしまいます。
コンサドーレ札幌の試合運びの課題としても、前半いい形を作れるが体力消耗が原因で守備陣形に崩れが生じ、後半に立て続けにゴールを決められてしまうという課題が事実挙げられています。
この前線からの守備に関しては、一斉に連動してハイプレッシャーをかける場面と、一旦ステイして相手のビルドアップの様子を伺う場面を「時間帯」と「チーム状況」を把握した上で緩急を付けながら行っていかなくてはなりません。でないとすぐに体力を失ってしまい、結果チームが”負ける”事に繋がってしまいます。
② 前線に厚みをかけすぎて、裏のスペースを使われる
└前線に厚みをかけた状態でコンパクトに守備をしていると、逆に裏のスペースが空いてきます。
裏のスペースへボールを蹴られると、前線からかけていた守備は一気に後ろ向きにボールを追わなければなりません。つまり、前線の選手の守備力が無効化されてしまいます。
こうなると、コンパクトだった守備陣形が縦長の状態となり空いたスペースを使われ、失点に繋がる可能性も出てきます。
この状況を作らせないためには、
①前線からのプレッシャーによりまず前にボールを蹴らせないようにする
②蹴らせてしまったら、切り替えを早く行い再度コンパクトな守備の形を作る(セカンドボールを取るため)
■メリット
・ 相手自陣でボールが取りやすくなり、より多くのチャンスの機会を作る事ができる
・相手のキックミスを誘いマイボールにする確率を上げる事ができる
■デメリット
・体力を消耗してしまう
・前線に厚みをかけすぎて、裏のスペースを使われる
マリノスの戦術的な攻撃方法
今回の試合で、前半に関しては札幌の前線からのハイプレスによりマリノスはこれといった攻撃をする事ができないまま0-1で前半を折り返しました。
しかし、後半の73分に杉本健勇と水沼宏太を投入した直後、4-2-1-3→4-1-3-2の形にフォーメーションを変化させ83分と87分に立て続けにゴールを奪う事ができました。
この勝利の要因は…相手のコンディション状況を分析した上での、フォーメーション変更です。
相手のコンディション状況を分析した上での、フォーメーション変更
└後半終盤になり、前プレスを終始かけていた札幌の選手の足が段々と止まってきました。それにより札幌の守備陣のバックラインとボランチの間にスペースが出来始めたため、マリノスは4-1-3-2の形にフォーメーションを変化させ前線の枚数を増やす戦術に変更しました。
上記の変化を加えた事により、徐々にセカンドボールの回収ができるようになり、さらにはセンターバックとボランチの間に有効な縦パスを入れられるようになりました。
縦パスや中盤のセカンドボールを回収する事で、札幌の守備陣は真ん中に集中します。これによりサイドにスペースができ、マリノスの 得意な攻撃の形であるクロスを上げるシチュエーションを作る事が可能となったのです。
このシチュエーションを作る事で、サイドにボールを出せば札幌守備陣の中盤のマークにずれが生じ、逆に中盤にボールを入れれば、外が空いてくるといったマリノス主導の流れを作る事に繋がりました。
クロスの質が高い 水沼宏太 とキックの制度が高い 天野純 を投入したことも試合の流れを変えた一つの要因です。
このように、相手チームの弱点を細かく分析しどのような戦術を取れば自分たちのペースに持っていけるのか常に試行錯誤していく事が重要です。
これは監督だけがやればいいのではなく、選手1人1人がピッチ内で常に意識する事がとても大事です。
・「 時間帯」「相手のコンディション」「試合の流れ」から試合の全体の状況を把握し相手の弱点を見つけ、どのような攻め方をすればゴールに繋がるのか、1人1人がピッチ内で常に考えることが重要
まとめ
今回は実際のJリーグの試合から学べる事について記事を書かせていただきました。
Jリーグ観戦も楽しみ方は人それぞれだと思いますが、なぜこのチームは勝ったのか。なぜこのチームは負けたのか。
その要因まで探っていくと、よりサッカーを深く知る事にも繋がりますしサッカーをしている方であれば実際に自分がプレーをするときに意図を持って一つ一つのプレーをするよう意識が変化していくため上達のスピードが上がります。
ぜひ色々なサッカー観戦の仕方を試してみて下さい!
余談ですが、ボランチに必要な技術について知りたい方は↓のような記事も書いていますので興味があればぜひ!
この記事を読む
こちら参考にしてみてください!
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